Я

「あんた今まで逃げてばっかりじゃないの。ちゃんと現実みたら?あんたにはもう、悩んでる暇など無いのよ?」
って言われても、現実ってなにさ、説明してよ、わかんないよ。そりゃ悩まないでいられたら、流れゆく日常の中にたゆたって居られたら、どんなに楽か。いっそフリーズしてしまいたい。“気付いたなら抜け出せる”はずなのに、未だここにいる。勇気がない。悔しい。ダメな人間。言葉が、的を外さないダーツの矢のように突き刺さってくる。心を開けって言われたって、言いたくないことはある。言えないことだって、ある。可能性は否定される。そこから逃げて、どこへ行けるというのか。曖昧に生きるのは、誰のため?泣いたら、負け。
でも―、
私は“私”を生きているのだろうか。
ひどく不安になる。あの人が言った言葉は、私が私に突き刺した言葉でもあるという事実。一番怖いのは、自分自身。強敵。